【転職事例】某銀行向け口座開設アプリ開発プロジェクトのPMO

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こちらの記事は、私が支援をさせていただいた方が、転職後どのように働いていらっしゃるかを、実際のプロジェクトの一日を例にまとめたものです。
今回は、コンサルティングファームへ転職をされ、金融業界の領域において活躍されている方の業務内容をインタビューしました。
実際の1日を少しでも想像いただけたら幸いです。

また以下の記事も併せてお読みいただければ、よりコンサルティングファームやコンサルタントの全体像についてご理解いただけるかもしれません。
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シニアコンサルタント(30代前半)

経歴

大学卒業後、SIerとしてシステム構築(案件収支管理・販売管理・財務会計・管理会計)を行うことからキャリアをスタート。
クライアントは案件型のビジネスを行うシステム受託開発業・映像制作業などが中心。
商談支援から要件定義、設計、開発、稼働支援、稼働後の保守・提案の全ての工程を経験し、組織長としてチームの受注・売上目標のマネジメントも経験。

プロジェクト背景

業務の非対面化を推進するためのシステム構築プロジェクトを受託した事業会社がクライアント。
プロジェクト自体が無理なスケジュールで進行していたため、案件は炎上間近という状況であった。
また自社メンバーのマネジメントにも課題があり、タスクの大幅遅延や、開発ベンダーのコントロール不足などの問題が生じていた。
このような状況の中、プロジェクトの正常化をすべくPMOとして参画の依頼を受けた。

プロジェクト内容

重要課題としてプロジェクトメンバーの期限へのコミットメント意識不足の改善が求められた。
プロジェクトに参画してみると各担当の意識ではなく、タスク管理におけるコミュニケーションに課題があることがわかった。

本プロジェクトでは、以下のアプローチで推進した。
・実現性のあるスケジュールを再計画し得意先と交渉
・タスク管理のドキュメントをバイネームで管理する
・会議の最後にToDoを確認し直接メンバーへコンセンサスを取りながら作業依頼を行う

また、指示だけではメンバーも動かないと考えたため、得意先とのスケジュール交渉などを積極的に行うことでメンバーのために動く姿勢を見せ、プロジェクトの士気を落とさないように配慮した。
この結果、タスクの遅延が解消し、オンスケジュールに立て直すことができ、得意先との関係も改善された。

実際の1日の過ごし方

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9:20 出社
在宅がほとんどである。得意先との打ち合わせなどがある場合はクライアントのオフィスに出社する。
現在のクライアントでは10時ぐらいまでに出社すれば良いので朝をゆっくり過ごせる。

9:30 進捗チェック
クライアント・開発ベンダー・得意先のToDo状況を確認し、期限切れのものがあればリマインド。
また、その週で完了すべきタスクの状況や進捗の阻害要因をメンバーから吸い上げ、新たな課題を検知する。

10:30 スケジュール調整
進捗をチェックしたのち、アサインの見直しやスケジュールの変更を行う。
得意先と交渉が必要な事項があれば、PMと相談し交渉の段取りをすり合わせる。

11:30 ミーティング準備
午後にクライアント内での定例のミーティングがある為、進捗の報告資料や課題・リスクの一覧をまとめる。
吸い上げた課題に対する対策案をまとめMTGで協議するための資料を作成したりもする。

12:00 昼食
クライアント先の社内食堂で昼食をとる。
食事はすぐ済ませて本を読む時間にしている。

13:00 クライアントとのミーティング
クライアントのプロジェクトメンバーと課題や進捗の共有を行う。
必要あれば課題の提起と対策案を提示し、対応方針を協議の上決定する。
開発ベンダー及び得意先への依頼・交渉すべき事項などを吸い上げる。
ほとんどの場合、Web会議での実施。

14:00 ステアリングコミッティ資料の作成
得意先とのステアリングコミッティに向けた会議資料の作成を行う。
開発中のシステムにおける品質のモニタリング結果やまとめた課題・リスクなどを元に報告資料を作成する。

17:00 開発ベンダーとのミーティング
開発ベンダーとの進捗と課題の確認を行う。

18:30 退社
翌日のスケジュールを確認し退社。




今回ご紹介させて頂いた方は、前職でも高い評価を受け、若くして組織のリーダーにまでなった方ですが、自社製品ありきの提案にとどまらず、フラットな提案をしてきたいという理由で転職活動を始められました。
また、ITの経験も活かしながら、業務や戦略領域へと広げていくキャリアの選択肢をとるために転職というご決断をされました。

地頭の良さと高い目標を掲げながら持ちながら日々のプロジェクトに取り組み、現在は業務領域の案件に従事しています。

そのような方々に伴走出来るよう、私自身も高めていき、志を持った方々の支援をしていきたいと考えております。
今後もエージェントとして一人でも多くの方とお会いできることを楽しみにしております。

記事一覧はこちら

記事数も少し多くなってきましたので、読みたい記事にすぐにアクセスいただけるよう、
過去の記事を簡単にカテゴライズして整理しました。
ご興味がある記事を読みいただけますと幸いです。


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コンサルタントの一日

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【転職事例】メガバンクにおける融資業務BPR

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こちらの記事は、私が支援をさせていただいた方が、転職後どのように働いていらっしゃるかを、実際のプロジェクトの一日を例にまとめたものです。
コンサルティングファームでの実際の1日を少しでも想像いただけたら幸いです。

また以下の記事も併せてお読みいただければ、よりコンサルティングファームやコンサルタントの全体像についてご理解いただけるかもしれません。
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メガバンクにおける融資業務BPR マネージャー(30代後半)

経歴

大学院を卒業後、大手SIerを経て現職(総合系コンサルティングファーム)。
前職のSIerでは、金融系のクライアントを中心に、システムエンジニアとしてアプリケーション開発に従事することからキャリアがスタート。その後、プロジェクトマネージャーとして、幅広い案件で、業務要件定義から海外パッケージベンダーの選定、実装、チューニング等を行う。また、在宅勤務やモバイルワークの導入、パブリッククラウドの活用方針など、IT戦略の策定から実装に向けたプロジェクトも担当。
転職後は金融系×ITの知見を活かし、戦略・業務案件を推進。

プロジェクト背景

経費率の高止まりをうけ、社内全体で業務効率化余地を調査。
結果、融資に関する業務について、業務効率化の余地ありと判断され プロジェクトの開始に至った。

プロジェクト内容

  • 全社員から各業務への投入時間をヒアリング
  • 大きなウェイトを占める業務を抽出
  • 対象業務について人、オペレーション、システムなどの観点でさらに深堀、課題を抽出、
  • 改善業務案の策定
  • 改善業務案の合意
  • 効果測定
  • 業務改変/システム実装
通常期

実際の1日の過ごし方

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8:30 日経新聞を一読
自分が携わっているプロジェクトに関係するものは熟読。役員との会話では、「今朝の日経に出ていた◯◯だけど、うちに影響あるかな?」と言った会話がよくあるため必読。特に法律や規制関連の記事は必要に応じて関係省庁のホームページなどもチェックの上、メンバーに共有。

9:00 メンバーと朝会
最近はコロナのためオンラインでの会議が基本。
今日のミーティング予定とアジェンダと資料、ミーティングの結果(仮説)とネクストアクション(仮説)を合わせる。場合によっては事前に議事録(仮説)も準備。
各メンバーの今日のタスクとタスクのゴールイメージもすり合わせ。

10:30 プロジェクト進捗・リスクチェック
クライアント先に移動しながら、スケジュール表やWBS、課題を確認し、プロジェクト進行にリスクが発生していないか、あるいは、発生する予兆はないか日々確認。

11:00 クライアントとミーティング
メンバーにファシリテートをやってもらい、想定のシナリオ通りに進んでいることをチェック。横道に逸れそうな場合のみ口を挟むようにしている。
議事録も事前に作成済みのため、会議終了と同時にクライアントへ展開。

12:30 クライアント企業内のミーティングに参加
昼食後、クライアント企業内のミーティングにできる限り出席させていただく。プロジェクトを円滑に進める上で最も大事なのは合意形成の図り方。つまり、「俺は聞いてない」という理由でプロジェクトが止まらないようにするため、様々な調整が必要。調整に当たっては、ステークホルダーのキャラクターや担当業務、過去の経歴、興味のあるトピックなどを把握しておく必要がある。そのためステークホルダーの出る会議にはなるべく同席させてもらう。

13:30 メンバーのアウトプット中間レビュー
まずはメモ帳ベースでパワポ資料のアジェンダ、各ページのキーメッセージだけ書くようお願いしているため、アウトプットはメモ帳。ストーリー展開がイマイチなので、あとで修正案を送ると伝えレビュー終了。レビュー後、メモ帳に記載した修正案をメンバーにフィードバックしパワポ化を依頼。

14:30 定例報告書作成
その後、週次でクライアントの課長、月次で部長宛てに報告をすることになっているため、それぞれの次回報告資料を作成する。こちらも仮説ベースで来週の状態を書いてしまう。

16:00 クライアントとの日次進捗定例MTG
スケジュールに沿って本日の成果と明日の作業を報告。週の初めであれば、その週のミーティングとアジェンダを確認。

17:00 WBSの更新・メンバーへのフィードバック
WBSや課題を更新し、クライアントに送付。その後、メンバーのアウトプットをレビュー。
多少の手直しは指摘するも、ストーリーやポイントは伝わるので、クライアントに送付しておくよう指示。

19:00 他社への営業資料の作成
前回訪問時のメモを見返し、刺さる提案内容を検討。書籍や競合ホームページ、IR情報などをチェック。メモ帳ベースでストーリーを書き上げる。
このメモ帳と向き合うのが最も幸せを感じる時。自分の想像力と知識をフル稼働させ、ストーリーテラーになる。

22時頃に帰路につく。

繁忙期

19:00までは繁忙期も通常期と同じ。

19:00 CIO報告会のストーリーテリング
翌週に控えたCIOへの報告、一方材料が未だ揃い切れておらず、複数シナリオで資料作成することに決める。
事前にステークホルダーの全ライン部長へ報告が必要だが、それぞれの部長ごとに興味や立場が違うため、それぞれでストーリー展開、ネクストアクションを予想。
メモ帳ベースで各シナリオのストーリー、キーメッセージを作る。すぐにパワポ化できるよう、言葉をシャープに。

24:00 ストーリーのパワポ化
ストーリーが完成したためパワポ化に着手。キーメッセージが視覚的にわかるように絵を書く。

27:00 プレゼンのシミュレーション
資料が完成したら、CIOが目の前にいる想定でプレゼン。想定問答もメモ帳で作成しておき、QA対応で必要となりそうな資料をメモ。翌日補足資料として収集すべきものをリスト化しておく。

28時頃、就寝。

ひと月に一度の頻度で1週間くらいこの状態が続く。



今回ご紹介させて頂いた方は、テクノロジー領域の経験も活かしながら、ビジネスサイドに知見を広げるといったキャリアの選択肢をとるために転職というご決断をされました。
また、今後は業界を問わずさらに幅広い分野で活躍されたいと考えられておりました。

謙虚さや成長意欲の高さという良さを持ちながら日々のプロジェクトに取り組み、お会いする度に視座が高くなっており、大変嬉しく思います。

そのような方々に伴走出来るよう、私自身も高めていき、志を持った方々の支援をしていきたいと考えております。
今後もエージェントとして一人でも多くの方とお会いできることを楽しみにしております。

コンサル業界でのキャリアの積み重ね方

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コンサル業界ではマネージャーがキャリアの大きな節目です。マネージャーまではプロジェクトの中で成果をだしていくことが求められますが、それ以降の役職では、そもそも求められる役割がガラッと変わります。そのためマネージャーという節目をむかえたときに、コンサル業界でキャリアをそのまま築いていくか、事業会社にキャリアチェンジをするかについて悩まれる方が多くいらっしゃいます。
今回は、コンサル業界でキャリアを築いていく場合を中心に私の考えを書いていきたいと思います。


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まずは将来のキャリアを考える

まず、最初に考えていただきたいのが今後もコンサルティング業界でキャリアを築いていくのか、それとも事業会社でキャリアを築いていきたいのか、ということです。

後者の場合には、「何をやりたいのか」を明確にすることが特に重要です。例えば、同じ企画職であっても、事業企画系のポジションと管理会計的なポジションでは業務内容や求められるスキルセットが大きく変わります。ファームtoファームの転職を考えている場合には、そのスキルセットが得られるファームに転職するべきですし、もしくは、コンサルティングファーム出身であれば未経験であっても採用してくれる事業会社もあるため、ファームtoファームではなく、事業会社への転職も視野に入れることをお勧めします。

また、コンサルティング業界でキャリアを築いていく場合でも、年収やブランドではなく、今までの経験やスキルと目指すキャリアを踏まえて、今後自分にとって必要になる業務内容やタイトル(職位)を判断することが大切です。なぜなら、コンサルティング業界でキャリアを築いていくためには、身に着けたい専門性に結び付くプロジェクトにおいて、必要なスキルを磨けるポジションで早くから仕事ができることが大切だからです。
例えば、いままで金融領域で業務改善を経験してきており、今年マネージャーに昇格し、将来的にはパートナーになりたいと思っているとします。その場合には今の領域をさらに深堀するのか、新しい領域に挑戦するのであればどのように広げていくのかも検討する必要があります。また、マネージャーのうちからセールスも経験していく必要があるかもしれません。また、後述するように、実際にはパートナーになるためには2ソリューション×2インダストリー以上の専門性が求められます。そこまで考えてから、それらの経験がとれる環境に身を置くためにはどうしたらよいかを考えていく必要があります。

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パートナーとエキスパート

少しパートナーについて触れましたが、以前までであれば、コンサルティングファームのキャリアの最高職位といえばパートナーでした。しかし、最近ではエキスパートという職位を用意するファームも増えてきました。
コンサルティング業界でキャリアを築いていく上での目標地点を知っておく意味で、この2つの職位について少し説明します。

パートナーは以下の記事でも説明したことがありますが、セールス(提案活動)とファーム経営の役割を担う職位です。
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パートナーには、2ソリューション×2インダストリー以上の専門性が求められますので、パートナーを目指すのであれば、転職などの機会に新しいソリューションやインダストリーに挑戦していくことも必要です。
また、部下のマネジメントスキルのみならず、顧客とのリレーションを築くスキルも大切ですので、顧客折衝の機会が増えるマネージャーのうちから、アサインされているプロジェクトをこなすだけでなく、新たな案件獲得のための提案活動を積極的に行うと良いと思います。
ちなみに、パートナーとして転職する場合には、どのクライアントとリレーションがあり、部下からどれくらい信頼されているかが見られます。

エキスパートはその名の通り、専門性をとことん高めた職位です。パートナーは数億円規模の売上を一定年数維持することが求められるため精神的負荷が大きいという理由や、純粋にプロジェクトの中でバリューを発揮したいという理由などで、最近はパートナーではなくエキスパートを目指す方も多くいらっしゃいます。
セールスのスキルはあまり求められませんが、特定の分野で業界屈指の専門性を持つことが求められます。

どのようなファームに移るべきか

年収やブランドではなく、業務内容やタイトル(職位)にこだわるべきということは述べた通りですが、シニアコンサルタントやマネージャーなどの方は、どのインダストリーやソリューションで専門性を高めるかを決めたうえで、それが得られる環境かどうかを一番大切にしてほしいと思います。どこのファームで働くか、ではなく、なにができるかが大切です。今いる環境では目指す専門性が得られない場合には、たとえ年収やタイトルが下がろうとも、転職によってインダストリーやソリューションガラッと変更することも視野に入れると良いと思います。また、ファームによってセールスができる職位が異なりますので、職位の裁量権にも注意しましょう。

アソシエイトなど若手の方も基本的には、同じように将来のキャリアを見据えたうえで、(若手は自分で案件をとってくることはほとんどないので、)自身がやりたい領域のプロジェクト事例があるかどうか、そしてアサインメントの自由がききやすいか(自身の希望が通りやすいか)を検討することも必要です。後者については、HPなど確認することは難しいので、ファーム事情に詳しい方に聞く必要があります。

マネージャーから先にいくために

ほとんどのファームでマネージャーまでの道のりはそこまで険しくはありません。しかし、マネージャー以上の職位ではより一層の実力が求められ、険しい道のりとなります。
そこで最後に、私がこれまで見てきた方の中で、昇進していったマネージャーやシニアマネージャーの特徴を紹介します。

  • 提案活動で結果を出し続け、年間売上数億円のビッククライアントがいる
  • 自身の緩いチームを作り始めている(明確なチームとして活動しているわけではないが、チームのように動き、信頼関係が構築できている)
  • 2つ以上のファームで活躍している


冒頭でも紹介したように、コンサル業界ではマネージャーがキャリアの大きな節目であり、それ以降は求められる役割がガラッと変わります。そこを踏まえたうえで、コンサル業界でキャリアをそのまま築いていくか、事業会社へのキャリアチェンジを視野に入れるのかを考える必要があります。どちらにせよ、ご自身の描いたキャリアが実現できる環境に身を置くことが大切です。
今まで築き上げてきたキャリアを、今後最大限に活かし、豊かなキャリアを歩んでいっていただきたいと思っております。コンサルティングファームで活躍されている方にとって、この記事が少しでもキャリア形成の参考になりましたら幸いです。

エージェントの醍醐味

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転職者の方とお会いし、キャリアについてお話をしていると、必ずといっていいほど「私がなぜエージェントを仕事としているか」という話題になります。その際にお話しているエージェントのやりがいについて、雑記として残しておきたいと思います。

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「人が好き」が価値観の中心

人と話すことがとにかく好き

昔から、私は人と話すことがとにかく好きでした。くだらない話や勉強の話、将来の話など、内容はなんでもよくて、人と話すこと自体が好きです。昔、毎晩のように友達と何時間も電話をしてた記憶があります。自宅の電話料金が十万円を超えたときもあり、その時はびっくりしたのを覚えています。
おそらく、私を知っている誰に聞いたとしても、私の印象は「とてもよくしゃべる」、だと思います(笑)

まっすぐな方には豊かな人生を歩んでほしい

話すことが好きで、人が嫌いな人はあまりいないと思いますが、私も例に漏れず人が好きです。
特に、まっすぐな方(私は「心根が良い方」といっています)が好きで、そういった方と話していると、より楽しいですし、私自身が熱を帯びていくのを感じます。そして心根が良い方には、豊かな人生を歩んでほしい。そのために何かしたいと強く思います。
キャリアが人生において重要な要素であると、エージェントという職業に就く前から思っていましたが、エージェントになってからは更にその考えが強くなりました。そして、そのためにはキャリア戦略がなければ自分の向かいたい場所には近づけないということを再認識しました。
もちろん、人生そしてキャリアを歩んでいくのはその方自身ですが、エージェントという職業はキャリア形成のきっかけや、その後の伴走ができる非常に魅力的な仕事だと思います。

人が化ける瞬間を見たい

人と話すことが好きですので、エージェントという職業はそれができるというだけで楽しいのですが、中でも一番やりがいを感じることは、その方と伴走し、そして伴走してきたその方が「化ける瞬間」を見たときです。

人は、目標を定め、自分の価値観に合った環境で全力でエネルギーを注ぐことで、自分でも驚くようなパフォーマンスを発揮します。
エージェントはこの「人が化ける瞬間」を特等席でみられることが特権であり、それが醍醐味です。

今後もより多くの化ける可能性のある方々に会いたいと思っていますし、転職後も接点を持ち続け、自身の実力向上をしながら伴走し続けています。

なぜコンサル領域を支援しているのか

ここまで、エージェントのやりがいについてお伝えしましたが、私がどうしてコンサル業界への転職を主な支援領域としているかについても書きたいと思います。
私にとってエージェントの仕事は、転職支援ではなくキャリア支援であり、入社後も伴走していきたいと考えています。コンサル業界はまさに伴走する価値が高い(より貢献ができる)領域であるという点が、コンサル業界への転職を主な支援領域としている理由です。

事業会社の多くは、任せられる職務・業務領域がある程度決まっているのに対して、コンサルティングファームのような支援会社ではプロジェクト単位で仕事の内容が大きく変わります。そのため、入社してからも自分自身でキャリアを築いていく必要があります。支援会社の中でも特にコンサル業界は、キャリアの柔軟性がある一方で常にキャリアについて考えなければ、入社前に描いていたキャリアパスからずれていってしまいます
例えば、将来CIOのサポートをしていきたい方がいるとします。その場合、なりたい姿に近づくためにIT投資、ITコストカット、IT組織、コンプラやガバナンスのプロジェクトは一通り経験するべきですし、コンサルスキルを確立するためには、ドキュメンテーションや仮説思考などに長けている方から盗める環境をとるべきです。これらを踏まえて、自分がどんなプロジェクトに入るべきか、そこでどう価値を出していくかを考えていく必要があります。

コンサル領域は「化け」やすい

このように、コンサル業界のキャリアは難しさもありますが、しかし、その分、常に思考しながらキャリアを築くことで「化ける」方も多くいらっしゃいます。
例えば、「IT知見を備え、クライアントニーズを丁寧にヒアリングしたうえで実装する」ことが得意なSIer出身の方が、「ビジネスモデルを理解し、見えないクライアントニーズを拾い上げ、整理する」能力を身につけることができれば、コンサル業界での活躍のチャンスが一気に広がります。その方にとっていままで挑戦できなかった領域に踏み込むことができ、さらに高みに登るチャンスが大いにあります。


最後になりますが、自身の将来像に対して向かっている方とお話をすると、もっと私自身も高めていかなくてはと強く感じ、さらにモチベーションが上がります。
そして、心根がよく向上心が高い方の周りには、同じようにキャリアを真剣に考えたいという方が多くいらっしゃり、ご紹介いただくことが多くあります。このように、ご縁が広がっていくことは嬉しい限りです。
今後も一人でも多くの方のキャリアに伴走し、「化ける」瞬間を特等席で見るために一人ひとりのキャリアに真剣に向き合っていく所存です。
そして、キャリアを真剣に考える方が一人でも増え、より多くの方に豊かな人生を歩んでいただきたいと強く思っています。

キャリアを会社の部門から考える

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将来どのようなことをしていきたいのかを転職者の方とお話していく際に、「どんな立場で何をしたいのか」とお伺いすることが多くあります。しかしながら、そもそもビジネスにおいて各部門がどのような役割であり何をしているのかを把握していないと考えることが難しいと思います。そのため、今回はキャリアへの意味合いという観点から、企業の部門や職種を4つに分類してお伝えできればと思います。部門によって当然役割が異なりますので、そこに合う人物像もまた変わります。ご自身がどの役割であれば価値観と合い興味が持てそうか、どの役割を担いたいかなどのあたりをつける参考になりましたら幸いです。

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職業の種類(職種)

職種はフロント、ミドル、バック、コーポレートに分けられる

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多くのサイトや書籍では、フロントオフィスとバックオフィスの2つに分けられていることが多いのですが、職業をイメージするには少しざっくりしすぎている感がありますので、今回は、転職活動への意味合いという観点からフロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィス、コーポレートオフィスの4つに分類してお伝えします。

フロント:顧客と接点を持ち、売り上げを作る部門

顧客と接点を持ち、売り上げを作る部門がフロントオフィスです。
具体的な部門/職種としては、営業、カスタマーサポート、窓口受付や、SIerであればSE、コンサルティングファームであればコンサルタントなどが挙げられます。
フロントオフィスは会社の顔として実際に顧客と接点を持つ部門ですので、顧客に一番近くでニーズに応えたい方、人が好きな方、明るく元気な方が合う部門/職種だと思います。コンサルタントなどはフロントオフィスの中ではプロジェクト単位で業務が変わるといった特殊な部類ですので、上記に加えて知的好奇心が旺盛といったことも必要かと思います。

ミドル:フロント部門を事務領域以外でサポートする部門

フロント部門を事務領域以外でサポートする部門がミドルオフィスです(事務領域をサポートするのは次に説明するバックオフィスです)。
具体的な部門/職種としては、営業企画/推進、マーケティング、商品/サービス開発、SCM(サプライチェーンマネジメント)、社内システム開発、リスク管理などが挙げられます。
ミドルオフィスは、企業の各業務をより良いものに改善していく部門ですので、頭と手を動かして物事を改善していきたい方、職人気質な方が合う部門/職種だと思います。イメージとしては、「○○通ですね!」や「社内で○○について相談するなら××さん」と言われるポジションです。

バック:企業運営に関わる様々な事務実務を担当する部門

企業運営に不可欠な様々な事務実務を担当する部門がバックオフィスです。
具体的な部門/職種としては、労務、経理、法務、総務、営業事務などが挙げられます。
バックオフィスは裏方として会社を支える部門ですので、自分が矢面にたつのではなく、後ろから仲間を支えたい方に合う部門/職種だと思います。バックオフィスはただ事務的なことをこなすのではなく、社内コミュニケーションを円滑にとりながら相手目線で仕事を進める必要のあるポジションです。

コーポレート:会社や事業の方向性を定め資源配分を行う部門

会社や事業の方向性を定めたうえで、ヒト・モノ・カネなどの資源配分を行う部門がコーポレートオフィスです。
具体的な部門/職種としては、経営企画、財務、運用、人事などが挙げられます。
コーポレートオフィスは、会社の頭脳としての役割を果たす部門ですので、全体感を見て舵を取るのが得意な方特に大きな責任感を背負いたい方に合う部門/職種だと思います。

今回は企業内の部門/職種を4つに分けてお伝えさせていただきました。それぞれの部門/職種の特色やマッチする人物像を通して、ご自身がどのような部門に合っていそうか、担っていきたいかなどをイメージする助けができていましたら、うれしい限りです。
エージェントとして転職された方々に伴走していて思うことは、やはり自分に向いている部門/職種で働いている方は、とても輝いていますし、素晴らしい結果を出されています。この記事を読まれた方が価値観にあった場所で一人でも多く活躍できることを願っています。
この機会が少しでもキャリア形成の一助になれば幸いです。

支援会社は「個の力」、事業会社は「組織力」

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世の中の企業は大きくは支援会社と事業会社に分類され、そのどちらを選ぶかによってキャリアが大きく変わってきます。
支援会社か事業会社を選ぶ際にも、将来から逆算して足元の転職先を選ぶことは重要なことだと考えています。
例えば10年後に事業会社で経営企画をやりたい場合、目の前の転職先では事業会社ではなく、支援会社であるコンサルティングファームを選択した方が近道であることもあります。

転職活動を進めるうえで、自身のキャリアに対する価値観を見つめ直すことが最も大切ですが、価値観にあった環境で働くためには、世の中にどのような種類の企業があることを知っておくことも必要な要素となっています。
そのため、今回は事業会社と支援会社の違いをお伝えしたいと思います。

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企業の種類

企業は支援会社と事業会社に分けられる

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企業は、支援会社と事業会社の2つに分類することができます。この2つの定義は実は明確ではなく、また明確に定義づけすること自体にはあまり意味はありませんので、具体的な業界や企業で捉えていただければと思います。まず、支援会社には、コンサルティングファームやSIer、広告代理店、弁護士事務所や会計士事務所などが挙げられます。つまり、他の企業の事業を支えることを生業としている企業が支援会社に当たります。
それに対して事業会社とは、製薬業界や自動車業界、ハイテク業界、通信業界など、自社が中心となってサービスを展開する企業もしくは支援会社のサービスを受ける企業と言えます。
なお、事業会社の中にも支援会社的な部署があったり、その逆もあったりしますが、ここではざっくりとしたイメージを持っていただければと思います。

支援会社は"個の力"が重視され、事業会社は"組織力"が重視される

支援会社は、専門性を持ったプロフェッショナル集団というイメージをもっていただければ分かりやすいと思います。チーム単位で動くことが多く、プロジェクトベースで仕事を進めます(弁護士事務所や会計士事務所はプロジェクトベースではなく、顧問という形がほとんどです)。
コンサルティングファームやSIerなどの支援会社ではパートナーや営業職がプロジェクトを受注すると、そのプロジェクトに必要な能力を持ったメンバーが選ばれアサインされます。プロジェクト内では一人ひとりに別々の役割が与えられ、それぞれのメンバー個人にパフォーマンスが求められます。

その一方で、事業会社では多くの関係者が介在し、組織として一つのサービスや商品を提供します。個々人の能力によって提供するサービスや商品の質が異なることはあまり望まれません。例えばトヨタであれば、○○工場のものよりも××工場のものの方が品質が良いといったことは望ましくなく、○○工場でも××工場でも同様の品質を作り上げることが求められます。つまり、個人や工場単位ではなくトヨタとして車を提供しています。
このように、事業会社では組織として一連のサービスを提供するということが重視されます。

転職の重みは 支援会社 < 事業会社

転職のキャリア形成における重みは、支援会社へ転職をする場合と事業会社へ転職する場合で異なります。ここでいう"重み"とは、転職をした場合のキャリアへの影響の大きさです。
支援会社では自社への帰属意識よりもパフォーマンスが重視され、複数回転職をした方であっても、個人の実力が高い場合には次の転職に不利に働くことは少ない傾向にあります。
その一方で、事業会社ではその企業への帰属意識が重要視されます。また、帰属意識を前提としているため事業会社ではキャリア形成も長期的に行われていくこととなります。そのため、事業会社へ転職する場合には、その会社で骨を埋める覚悟をもって転職をする必要があると思います。
もし事業会社へ転職し、1~3年でまた転職をしようとおもっても、スキルも帰属意識(もしくはやり抜く力)も不十分と判断されてしまい、上手くいかないケースがほとんどです。

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こちらの記事でも触れましたが、時間経過とともにキャリアは絞り込まれていきますので、事業会社へ転職を考えている方はそのリスクを鑑みた上で検討していただければ幸いです。

ベンチャーにおけるキャリアは特殊

なお、ベンチャーにおいては事業会社であっても人数が少ない分、個の力が重視され帰属意識よりも「何ができるのか・何がやりたいか」が重視されます。また、事業会社と比べれば人材の流動性は高く、転職の重みも軽減されます。ただし、ベンチャー業界で一度働くとその後のキャリアもベンチャー業界内で形成されていくことが多いことには留意してください。

事業会社や支援会社を志望する場合もそうですが、ベンチャー業界を選択する際には、本当にそこにやりたいことがあるか、を見つめなおすことは重要です。

今回は、そもそも世の中にどのような種類の企業があるのかということを、転職活動への意味合いという観点でお伝えさせていただきました。転職活動でまず重要なことは、ご自身のキャリアの価値観を明確にすることですが、その価値観がどのような企業で満たされるのか、少しでもイメージが湧いていましたらうれしい限りです。
この機会が少しでもキャリア形成の一助になれば幸いです。

転職後の活躍スピードを決める"目標セット"と"ポジション確立"

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転職は新しい会社に入社して終わりというわけではありません。むしろ、転職はなりたい姿へのスタートです。今回は、なりたい姿に近づくために、転職後にするべきことをお伝えしたいと思います。

転職後は、いままでやったことのない業務を任されたり、慣れない中で仕事をこなさなければならなかったりするため、目の前の業務に集中しすぎてしまいます。もちろん、目の前の業務に取り組むのは良いことですし、必要なことですが、折角の機会ですので、転職の目的であるはずの「なりたい姿に近づく」をより早く達成いただきたいと思っています。

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イメージできる目標をセットする

転職したらまず、会社における目標を作ることが大切です。

目標をセットすることは当たり前のことのように思えますが、いざ転職をすると、目の前の業務に追われてしまい、ついつい後回しになってしまいがちです。
しかし、転職という重要な意思決定を行ったのですから、なりたい姿により早く近づくために目標のセットは優先して行ってほしいと思います。

この目標は5年後や10年後など遠い目標よりは、イメージがしやすい半年後や1年後くらいの近い目標が良いと思います。もちろん、5年後10年後のキャリアに結び付く目標である必要はありますが、あまりに遠いと、「今何をするべきか」が曖昧になってしまうとともに、モチベーションもなかなか湧き上がらないためです。
また、目標を立てるときには、その達成が客観的に判断できるようなものにすることと、期限を決めることの二つを意識することが必要です。

例えば、「新人賞を取る」という目標は良い例です。新人賞は客観的に達成したかどうかわかりますし、入社してから何年もたつと取れませんので期限も自ずと決まってきます。他にも、「月間売上〇〇万円を年内に達成する」というようなものや「次の考課で最高評価を得る」といったものも、2つの要素を満たす良い例です。
逆に、「一人前の営業になる」などは、何をもって一人前と判断するか分からない、かつ期限もないので、(心意気としては良いのですが)目標としてはあまり良くはありません。

企業内でのポジションを確立する

目標セットの後、もしくは並行して自分の社内での立ち位置、つまりポジションを確立します。必要に応じて、周りの人や上司の方に相談しながら、自分が一番パフォーマンスを出せるように準備していきます。

ポジションを確立することは、言い換えると、目標に向かってまっすぐ進める環境を整えることです。
目標に向かおうとしても、うまく周りとコミュニケーションがとれていないと、思わぬところで横やりが入ってしまいかねません。また、目標達成は周りに助けてもらうことで、より早く達成できると思います。
例えば、SIerからコンサルティングファームに入社し1年目はIT上流に広げながら、2年目では業務領域にチャレンジしていくという目標をもった場合、BPRやコストカットの案件を中心に行っているシニアマネージャーやパートナーとつながりを持つことが近道です。
コミュニケーションを円滑にとっていくためには、以下に挙げるようなコミュニケーションスタイルは特に重要ですので、必ず確認するようにしてみてください。

結論ファースト型かプロセス型どちらが好まれるか?

コミュニケーションをとるときには、結論から先に話してからプロセスを伝える「結論ファースト型」と、さきに結論に至った背景や解釈を話したうえで結論を伝える「プロセス型」の大きく2つがあります。基本的には前者の「結論ファースト型」が好まれますし、こちらができれば、「プロセス型」もより磨きがかかるので、「結論ファースト型」が苦手な場合には練習をしておくと良いと思います。

コミュニケーションの粒度・頻度はどのくらいが好まれるか?

コミュニケーションの望ましい粒度(細かさ)や頻度も企業によって異なります。
前職では、普通だと思っていた細かさで報告や相談をしても、「もっとマメに報告にきてくれ!」と言われる場合もあれば、「もっと自分で考えろ!」と言われる場合もあります。
どれくらいの粒度や頻度が良いかは、社内の方々も意識していないため、少しずつ慣れていくことになるかと思いますが、最初はどちらかというと細かく、頻繁に報連相を行うことを意識すると良いと思います。報告が細かすぎたり多すぎたりと鬱陶しくは思われるかもしれませんが信頼を失うことはありません。逆に、報告が曖昧過ぎたり少なすぎたりすると仕事を任せづらくなってしまいます。
細かく頻繁に報連相を行う中で、だんだん報連相の粒度を大きくしたり、頻度を減らしたりして調整していくことがおすすめです。

コミュニケーションツールはどのように使い分けているか?

企業によって、電話、メール、チャット、グループウェアの使い方が大きく変わります。電話を積極的に利用する企業もあれば、チャットが推奨される企業もあります。また、企業文化だけでなく、個人個人で好みが変わることもありますので、一緒に働く人には、どのようなツール・タイミングで連絡をとると円滑にコミュニケーションがとれるかを早いうちに確認しておくと良いと思います。

周りとはどのように付き合っていけば良いか?

一緒に仕事をしていく同僚や上司の名前を覚えることや、その方達がどんな趣味嗜好かを把握することで、自身の強みを活かしながら周りからの見え方を考えていくことができます。
これは新入社員でするようなことではありますが、メンバーと打ち解けることは、コミュニケーションを円滑にし、結果としてキャッチアップも助けてもらいやすくなるため、とても重要です。

定期的に振り返りを行う

転職して2-3か月ほど経つと新しい業務にも大分慣れてきていると思いますので、そのタイミングで一度振り返りをしましょう。
業務の中で上手くいったことや上手くいかなかったことを振り返ることも重要ですが、ここでは、転職活動のときに考えていた「将来のなりたい姿」「転職の軸」をもう一度思い出していただきたく思います。
一生懸命業務に打ち込んでいると、転職活動のときに描いた将来のなりたい姿や転職の軸を忘れがちになります。そうすると、何のために仕事をしているのかが分からなくなったり、自分の思い描いていたキャリアからずれていったりする恐れがあります。
こういった振り返りは、2、3か月に一度を目安に続けていくと良いと思います。

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振り返りの例

相談できる人を少なくとも二人見つける

仕事に慣れるまでは特に、また慣れた後も仕事やキャリアの悩みは必ず出てきます。そのときに相談できる人を複数人もっていただきたいと思います。そのうち一人は社内の方、また一人は社外の方がおすすめです。
社内の方は、状況を良く把握しているため、それを踏まえた具体的なアドバイスをしてくれます。その一方で、社外の方であれば第三者だからこそより広い視野・視座でのアドバイスをしてくれます。

コンサルタントの場合は、即活躍を意識する

コンサルティングファームに転職した場合には、最初の2つのプロジェクトが大変重要です。その2つのプロジェクトで今後のキャリアの大筋が決まるといっても過言ではありません。

転職して間もなくは、「どのような能力があるか」、「どのような人柄なのか」を周りも探っている状態ですが、最初の2つのプロジェクトが終わるころには、社内での自分の立ち位置や評価が大方決まってしまいます。例えば、パートナーやシニアマネージャーがプロジェクトのアサイメントを検討する際には過去の案件における評価を参考にすることも多くあります。
そのため、最初は選り好みをせずプロジェクトを引き受け、上司の期待(期待成果)を知り、与えられた仕事で結果を出すことを強く意識していただければと思います。そこで成果が出せれば、社内で評価され、挑戦の場が与えられていくことになります。逆に選り好みをしたり、成果が出せなかったりすると、難易度の高いプロジェクトや仕事はなかなか任されなくなってしまいます。


今回は、転職してから何を意識すると良いか、何をするべきかをお話ししました。冒頭でもお伝えした通り、転職後は一生懸命になるあまり目の前の業務に集中しすぎてしまいがちです。もちろん集中することは大切ですが、転職はあくまで通過点であり、スタート地点でもあります。
考え抜いたうえでの決断をした結果、今の場所に立っていらっしゃると思いますので、より早く活躍し、より早く自分のなりたい姿に近づいていただけることを願っています。
この機会が少しでもキャリア形成の一助になれば幸いです。

キャリアのルールと歩み方

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転職者の方とお話しをしていると、具体的な職業についてはもちろんですが、もっと根本的な「キャリアとどのように向き合っていくべきなのか」という質問もよく受けます。

そのときには、「キャリアは厳しくもあるが、楽しくもあるもの」だと答えています。
厳しさというのは、言い換えるとルールです。例えば、私が今からプロ棋士になりたくても、奨励会への入会条件である19歳以下を満たさないため、残念ながらなれません。
楽しさがある、というのは自由度が高いということです。今の会社や職業から別の会社や職業に移るのは、(上記のルールが許すのであれば)私の自由だと考えています。例えば、医学部に行く必要があるため大変困難ですが、今から私が医者になろうと思えばなれる可能性はありますし、農家になって自給自足の生活を送りたければそれも可能だと思います。つまり、キャリアはある程度は自分の意思で歩むことができます。

今回はこのように厳しくも楽しくもあるキャリアのルールと歩み方についてお伝えします。

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「キャリア」に複雑性が発現

「終身雇用が崩れ、自分自身でキャリアを考えないといけない時代になってきた」という話は、おそらく多くの方が飽きるほどお聞きになっていると思います。

この話の大切な意味合いは、キャリアが多様化し複雑化したことで、キャリアの正解がなくなったというところにあると考えています。一昔前であればキャリアは会社が示してくれました。そのため、目の前の仕事に取り組んでいけば社内で昇進し、それが正解とされました。それができたのは、社会のスピードが比較的緩やかで事業自体の勝ち筋が長期的に見通せたため、社員に何を求めればよいか会社がわかっていたからです。しかし、目まぐるしく社会が変化する現在では、企業にも素早い変化が求められ、キャリアも多様化したため、会社も社員に正解を示すことが難しくなりました。そのため、個々人が自身でキャリアについて考えなければならなくなりました。

しかしその一方で、自分で生き方を選択しやすい社会になったというようにも捉えられると思います。私が支援した方の例であれば、金融の法人営業職から、金融のマーケティングリサーチ営業職へ転職し、そこから金融のマーケティングコンサルタントへとキャリアを進めた方もいらっしゃいます。
キャリアと向き合わなければならないのであれば、少しでも楽しんでキャリアを歩んでいただきたいと心から思っています。
楽しんで歩むためには、転職のルールを把握することが大切です。その時々で必要なことを年齢別に整理していきます。

年齢別の転職のルールと歩み方

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キャリアは絞られていく

転職のルールをお伝えするにあたり、「キャリアは広げるものではなく、絞り込んでいくものである」ということを念頭においていただければ幸いです。また、この絞り込みは、自分の意思ですることもできますが、そうでない場合には、時間とともに絞り込まれていってしまうということにもご注意が必要です。
なお、SIer(SE)の方は、下記で紹介するよりも少し時間軸が遅くなりますので、以下の記事も併せてご確認ください。
blog.ryo-okui-assign.com

20代の転職ルールと歩み方

20代は現職と同じ業界内もしくは職種内で転職ができます。例えば金融の営業の方をAさんとすると、Aさんは金融業界内の他職種か、他業界の営業職への転職ができます。また、新卒3年以内(~26歳程度)であれば、ポテンシャル(スキルや知識ではなく、マインドやコミュニケーション力)での転職もしやすいため、業界職種問わず、比較的大きなキャリアチェンジができる場合もあります。

30代になると大きなキャリアチェンジはとても難しくなりますので、20代のうちに今後の大きな方向性を定めて、その環境にいることが大切です。
なお、大きな方向性を定める上では、以下の記事を参考にしていただければ幸いです

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20代に「金融 × 法人営業」から転職するときのイメージ
(SEのキャリア戦略に関するの記事ではありますが、他の業界・職種の方も大きくは変わりません)。
blog.ryo-okui-assign.com

30代の転職ルールと歩み方

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30代で「金融 × ITコンサル」から転職するときのイメージ
30代は「何をやってきたか」によって転職をします。つまり、同じ職種内での転職がセオリーです。
例えば、先ほどのAさんが、金融のITコンサルに転職したうえで、30代で再度転職をしようとすると、他業界を専門としたITコンサル職への転職はしやすいですが、金融業界内の他職種への転職は難しくなる傾向にあります。また、同じ営業職への転職であっても、有形商材の個人営業から無形商材の法人営業への転職などは難しくなってきます。

次の40代での転職では、30代での実績をもとに更に専門性を深めていくことになりますので、30代では自分が勝負できる領域でいかに実績を作っていくかが大切です。

40代以上の転職ルールと歩み方

40代以上で転職をする場合は「どの領域でどんな成果が出せるか(出してきたか)」が見られます。大きな即戦力であることを期待されますので、ほとんどの場合は、現職と同じ領域内での転職になります。さきほどのAさん(金融・営業)が40代まで同じ会社で勤め、中小企業のリスクマネジメント関連の保険領域で活躍しているとすれば、転職する場合、中小企業のリスクマネジメント領域での実績が即活かせるポジションへの転職になります。

40代以上はキャリアの集大成ともいえると思います。その領域で自分の実力を磨いていくとともに、人材育成や経営など会社の根幹に携わっていく機会が増えていきます。

キャリアにおけるアプローチショット

ゴルフにアプローチショットというものがあります。アプローチショットとは、カップを直接狙うのではなく、次の一打でホールが狙えるように、ボールをカップに寄せるショットです。
キャリアにおいても、一度の転職で自分のなりたい姿になれるとは限りません。ですが、アプローチショットのように寄せることで、次の転職でなりたい姿になるチャンスがあります。
例えば、先ほどのAさんがベンチャーの経営企画になりたい、と思ったとするとします。この場合、ベンチャーの経験も企画職の経験もないので、一回の転職でそのポジションに就くのは難しいです。しかし、まず現職の職種と同じ「ベンチャーの営業」に転職をし、そこで営業企画になることができれば、ベンチャーの経営企画へ大きく近づくことができます。


今回は、キャリアのルールと歩み方について書かせていただきました。将来像を描き、現在地を把握した上で、必要経験やスキルを明らかにし進んで行くことにより、なりたい姿に近づくことができます。この記事の中で「キャリアは厳しくもあるが、楽しくもあるもの」ということを少しでも感じていただけていましたら嬉しい限りです。また、この機会がキャリア形成の一助となれば幸いです。

意思決定は4つの軸で見つめ直す

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志望する企業から内定が出たとしても、いざ転職をするかしないかの決断をするとなると、やはり不安になるものです。
転職をすることも大きな決断ですし、しないことも大きな決断です。
今回は、転職における決断の際に、何を考え、どんな軸で意思決定をすれば良いかについてお伝えできれば幸いです。

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転職をしたい理由を改めて磨き上げる

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転職活動を始めたときと、今とでは、転職に対する考え方が変わっていることがあります。
例えば、今いる会社の将来性に不安を感じて転職を始めたのに、いつの間にか年収が高い会社に行きたい、となっているかもしれません。
自分で調べたり、誰かに相談したり、面接を受けたりする中で、転職のイメージが明確になったり、思考が変わったりすることは自然なことですので、考え方が変わること自体は問題ではありません。
ただし、その変化がブレを与え、自分の本音(価値観)が隠れてしまっていることには注意が必要です。
そのため、転職の決断をする前にそのブレを取り除き、自分の本音に改めて耳を傾けていただきたいと思っています。
自分の純粋な価値観に改めて向き合い、会社を移るか、現職に留まるかの決断をしていくことが今後のキャリアにおいて非常に重要だと考えています。

キャリアにおける価値観とは、「キャリアにおいて何を大切にしたか?」という問いに対する答えです。
私が転職者の方とお話しするとき、価値観を「年収」、「ブランド」、「業務内容(やりたいこと)」、「ワークライフバランス」の4つで整理することがあります。そのうえで、どの要素が一番大切か、優先順位はどのようになるかを考えていきます。
例えば、「500万でやりたい仕事をやるか、1000万円で全然やりたくない仕事であればどっちが良いか?」といったことを質問しながら、さらに価値観を深めていきます。
どの要素が大切かは人によって異なりますので、自分自身だけでなく周りの方やエージェントなどに相談いただき、価値観の深堀をしていただければより明確になると思います。
価値観については、別の記事でより深くお伝えしたいと思いますので、またそちらもお読みいただければ幸いです。

転職をするという決断にしろ、しないという決断をするにしろ、必ず自分の純粋な価値観に照らし合わせていただくことが重要です。

決断とは何か?

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何度か、「決断」という言葉を使いましたが、私は転職について意思決定をするとき、「選択」ではなく「決断」という言葉を使っています。
「選択」とは、何かを選ばないといけない状態(つまり期限がある状態)で選ぶという行為で、その後の人生に対しての影響は軽微だと考えています。例えば、お昼ご飯に何を食べるかというのは選択です。お腹を満たすためには何かを選ばないといけませんが、そのときの気分で選ぶ方が殆どかと思います。

それに対して、「決断」は自分で期限を設定し、想いをもち、不可逆的なリスクを覚悟した上で、ほかの選択肢を絶つ行為だと思っています。
例えば、一人の女性と一生を添える覚悟をもってする「結婚」はまさに決断ですし、一生に1度か2度しかしないだろう「家の購入」なども決断と言えます。そして、「転職」もまた決断です。
決断には、不可逆的なリスクを理解しておくことがとても重要です。その不可逆的なリスクを正しく認識しないと、得も言われぬ不安が付きまとい、決断を下すことが難しくなります。

不可逆的なリスクとは何か

不可逆的なリスクとは、取り返しがつかないリスクのことを指します。決断をする際には、他の可能性を切ることになりますので、不可逆的なリスクを孕んでいます。
例えば、伝統的な大手事業会社に在籍しており、ベンチャー企業への転職をしようか迷っている方がいるとします。もし、その方が、将来その会社の社長になりたいのであれば、ベンチャーへは転職せずにその会社でキャリアを築くべきです。なぜなら、ベンチャーに転職を1度してしまうと、大企業に戻ることは大変難しくなるからです。

上記の例は少し極端ですが、全ての人が抱えているキャリア上の不可逆的なリスクがあります。

それは、「年齢」です。
こちらはまた別の記事で詳しくお伝えしますが、例えば、コンサルタントや営業職に未経験でなりたいのであれば、20代半ばまでに転職をしなければ、ポテンシャル採用の枠に応募できなくなってしまいます。

このように、今だからこそ取れる選択肢があることには、留意していただきたいです。
ただし、不可逆的なリスクは、避けなければならないものではありません。大切なことは、それらを正しく把握することです。その上で、不可逆的なリスクをとってでもその道に進むのか、もしくは不可逆的なリスクを避けるのか、決断してことが必要です。

決断できるかどうかは、最終的には覚悟を決められるかどうか、です。転職をしないにしてもするにしても、なりたい姿へ近づく、より成長する、より高みに上るためには、漠然とした不安や恐怖を克服し、覚悟を決めなければ実現しません。
そして、覚悟を決めて先に進んだ方は遅かれ早かれ急に大きく成長します。私は「化ける」と表現したりしますが、この化ける姿を特等席で見たとき、とても嬉しく、エージェントとしてやりがいを感じます。そして私自身もそのような姿を見ながら、負けないようにもっと成長していかなければと思い仕事に取り組んでいます。

話は逸れてしまいましたが、少しでも多くの方の決断の手助けになることができればと強く願っています。この機会がキャリア形成の一助となれば幸いです。

デリバリーからセールスへ <コンサル業界の職位による役割の変化>

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転職者の方から「コンサルティングファームではどのような役職があるのか」といった質問を受けることがあります。
コンサルティングファームには部長や課長といった役職ではなく、パートナー、マネージャー、コンサルタント、アソシエイト、アナリストといったタイトル(職位)があります。マネージャーこそ最近では耳にしますが、他のタイトルは耳慣れないこともあり、なかなかイメージがつきづらいかと思います。
今回は、コンサルティングファームにおける代表的なタイトルと、その役割について簡単にまとめさせていただきます。ただし、ファームによってタイトルの名称や役割などが異なる場合がありますので、その点はご理解ください。

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コンサルのタイトルとそれぞれの役割

職位についてお伝えする前に、まずはコンサルタント(職位のコンサルタントではなく、職種としてのコンサルタント)の仕事について大まかにご説明します。
コンサルタントの仕事は大きく、デリバリーとセールスに分かれます。デリバリーとは、プロジェクト(案件ということもあります)の遂行であり、多くの方が想像するコンサルタントの仕事はデリバリーかと思います。また、セールスとは、プロジェクトを受注するための提案活動を指しますが、一般的な営業とは大きく異なります。こちらについては後程詳しくご説明します。
パートナーに近づくにつれて仕事内容がデリバリー中心からセールス中心になっていきます。

それでは、ここからは各タイトルの役割について説明していきます。

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プロジェクトにおける各タイトルの役割

パートナー

パートナーはファームの最高職位であり、プロジェクトの責任者です。複数のプロジェクトをまとめ上げ、クライアントの役員レベルへセールス(提案活動)を行い、案件を受注する役割を担います。また、ファームの方向性や人材育成の方針を他のパートナーと話し合い、ファームを経営していく役割もあります。
パートナーになるには、数億円規模の売上を一定年数維持することが求められます。また、クライアントのニーズが多様化し、業界や領域横断での課題が増えているため、パートナーともなるとソリューションについては戦略・業務・ITのうち2つ、業界(インダストリー)についても2つ以上専門としている方がほとんどです。例えば、金融とエネルギー業界において、業務とITの両方に専門性を持つといった具合です。
ちなみに、ソリューションやインダストリーを広げるタイミングとしては、社内でのチーム異動のときもありますが、転職により別のファームに移るときの方が多い傾向にあります。

マネージャー

プロジェクトの現場責任者ともいえるのがマネージャーです。セールス段階からプロジェクトに入ることが多く、プロジェクト初期の課題の構造化、仮説構築、作業設計を中心となって行い、プロジェクトの方向性を定めたうえでメンバーに仕事や役割を割り振ります。
その後の仮説検証や意味合い出しなどは、コンサルタントやアソシエイト/アナリストが中心となって行いますが、その過程でもマネージャーが随時判断を下しながらプロジェクトが進みます。
また、プロジェクト全体の管理や人員・コスト管理、現場レベルのクライアントとの折衝も行い、次の案件の獲得に向けての準備も進めます。
加えて、マネージャーには、クライアントとのコミュニケーション内容を整理したうえでパートナーに相談し、プロジェクトを正しい方向へ牽引していくことが求められます。プロジェクトが誤った方向に進んだ場合には、手戻りが多く発生し、最悪の場合にはプロジェクトが炎上してしまします。
このように、マネージャーには、コンサルタントとしての高い能力に加えて、高いマネジメント能力やコミュニケーション能力が求めます。そのため、アソシエイト/アナリストからコンサルタントへの昇進に比べて、コンサルタントからマネージャーへの昇進は容易ではありません。

コンサルタント

多くの方が「コンサルタント」としてイメージしている業務を行う職位がコンサルタントです。
プロジェクトの実務部分をチームの中核として担い、アソシエイトやアナリストが収集した情報や分析したデータからマネージャーと相談しつつプロジェクトの方向性を修正しながら推進します。
コンサルタントは自分の業務を卒なくこなし、レベルアップしていくことが求められる一方で、アソシエイトやアナリストを部下として持つ立場でもあります。部下であるアソシエイトやアナリストのアウトプットの質が低い場合には、コンサルタントがマネージャーから追及されることになるため、そういう意味でも困難を感じる方が多い職位です。
なお、事業会社での社会人経験5年程度で転職された方は、コンサルタントの職位から始まることが多いです。また、ファームや個人の能力によって差はありますが、アソシエイト/アナリストからは、2~3年程度でコンサルタントに昇進します。

アソシエイト/アナリスト

アソシエイトやアナリストは簡単にいうと、「コンサル見習い」です。
議事録や資料の作成、情報収集やデータ分析など、プロジェクトにおいて実際に手を動かす仕事を担います。仕事内容を見ると作業が中心のように思えますが、実際はアソシエイトやアナリストに対してもチームの一員として、能動的な行動やバリューの発揮が求められます。例えば、チームの会議で発言をしなければ、「君は何のためにそこにいるのか?」と厳しい言葉を投げかけられることもあります。
また、アソシエイトやアナリストの収集した情報や分析したデータを用いてコンサルタントやマネージャーがプロジェクトを進めていきますので、その意味でも大変重要な役割です。ただ情報収集や分析を行うのではなく、マネージャーなどがどのように活用するのかを考えたアウトプットが出来るとより良いとされる傾向にあります。

なお、上記に挙げた職位のほかにも、ファームによっては、コンサルタントと、マネージャーの間にシニアコンサルタントと呼ばれる職位があったり、マネージャーとパートナーとの間に、シニアマネージャープリンシパルディレクター、といった職位があることがあります。

コンサルティングファームのセールス(提案活動)

コンサルタントの仕事としては、主にプロジェクトでの仕事をイメージされると思いますが、コンサルティングファームにおける営業活動であるセールスも、職位が上がるにつれて業務の割合を大きく占めるようにになります。
セールスは、パートナーが描いたストーリーラインに、マネージャーがメッセージやコンテンツをいれて資料として仕上げ、クライアントに提案をするという流れで行われます。

また、セールスは、クライアントが新規か既存か、プロジェクトか新規か既存かによって、「新規クライアント・新規プロジェクト」「既存クライアント・新規プロジェクト」「既存クライアント・既存プロジェクト」の大きく3つに分かれます。

新規クライアント・新規プロジェクト

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「新規クライアント・新規プロジェクト」は、取引のないクライアントにおける、初めてプロジェクトを獲得するためのセールスです。
「新規クライアント・新規プロジェクト」のセールスはパートナーによって大きくスタイルが変わります。専門性を活かした講演会やセミナーを主宰し企業とつながるパターン、既存クライアントから紹介をうけるパターン、コールドコールで突破するパターンなど、実に様々です。いずれの場合も、まずは小さな案件を獲得し、その案件を成功させることで、案件を段々大きくしていきます。
「新規クライアント・新規プロジェクト」の獲得は大変難易度が高いセールスですので、これが得意なパートナーは社内でも高い評価を受けます。

既存クライアント・新規プロジェクト

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「既存クライアント・新規プロジェクト」は取引実績のあるクライアントにおける、初めてのプロジェクトを獲得するためのセールスです。
すでに取引実績があるとはいえ、既存プロジェクトがどれだけクライアントを満足させられているかが非常に重要です。
私の知っている例を一つ挙げると、大手生命保険会社において、「新規・新規」で新規出店におけるリードから成約までの相関データ分析の案件を獲得し、そのプロジェクトを成功させ、他のファームが担っていた新規出店戦略プロジェクトを「既存・新規」で獲得したといったことがあります。

既存クライアント・既存プロジェクト

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「既存クライアント・既存プロジェクト」は取引実績のあるクライアントにおける、プロジェクトの継続を実現するためのセールスです。
マネージャーとして初めてセールスを行う場合には、この「既存クライアント・既存プロジェクト」から始める場合が多く、セールスのスタート地点ともいえるものです。そのため、マネージャーが中心となって提案を行うことが多く、プロジェクトを遂行しつつも、提案の準備を進める必要があります。



今回の記事では、大まかにコンサルティングファームにおける職位や、セールスについてお伝えしました。これからコンサルタントを目指す方にとっても、すでにコンサルタントでいらっしゃる方にとっても、今後のキャリアのイメージを醸成する助けになっていれば嬉しいです。
また、この機会がキャリア形成の一助となれば幸いです。

SIerとITコンサルは明確に異なる

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SIerからコンサルティングファームへ転職を考えている方から、
「SEとITコンサルタントの違いが良くわからない」といった趣旨のご質問をよく受けます。
どちらも上流からITを扱う、というイメージは似ていますが、実はビジネスモデルやクライアントに対する立ち位置、そして業務内容が大きく異なります。
今回は、IT領域における、SIer(SE)とコンサルティングファーム(ITコンサルタント)の違いをまとめたうえで、SIerでのどのような経験や能力がITコンサルにおいて活きるかまで踏み込んでお伝えしたいと思います。

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ビジネスモデルの違い

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SIerとITコンのビジネスモデルの違い
SIerのビジネスモデルは、簡単に言うと「クライアントのニーズに合ったシステム構築」に対して、お金をもらうというものです。その一方で、コンサルは、「クライアントの課題に対しての提案や提言」に対して、お金をもらいます。
また、フィーについては、SIerでは「人月あたり」で計算され、コンサルは「プロジェクト単位」で計算されます。

クライアントに対する立ち位置や業務内容の違い

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SIerとITコンサルの立ち位置の違い
ビジネスモデルの違いにより、クライアントに対する立ち位置も変わります。
SIerはシステムを構築していく上で、情報システム部やアプリケーション開発部、基盤部などのIT部門のやりとりが中心となります。
その一方で、ITコンサルは、そもそも何をシステム化するべきなのか、業務はどうするべきかなどの問いに答えていくために、IT部門だけでなく、業務企画や営業企画などのユーザー部門とのやりとりも多く発生します。また、若手のコンサルタントであっても、クライアントのカウンターパートが部長や役員といった決裁権者となることが多くあります。

業務内容についても、どちらもIT上流というイメージがありますが、実際にはその内容も異なります。
例えば、SIerもコンサルも要件定義を行いますが、SIerが行うのはRFPを受けてのシステム要件定義であり、コンサルはその前段の業務要件定義を行います。
また、プロジェクトマネジメントという観点でいえば、SIerのプロジェクトマネジメントは、ベンダーコントロールが主な役割ですが、ITコンサルのプロジェクトマネジメントは、PMO(Project Management Office)と呼ばれIT部門だけでなく、ユーザー部門との調整も主な役割になり、部長や役員などとのやり取りも増えます。

ITコンサルに活かせるSIerでの経験や能力

ここまでで、SIerとITコンサルの違いについてお話ししましたが、コンサル業界ではSIer出身者の方のニーズが高まっており、実際に多くの方が活躍しています。

昨今のITコンサルに求められていることは、きれいなIT戦略やグランドデザインを描くことではなく、本当の意味で現場を知っており、それを踏まえて実現可能性の高い提案をすることです。
例えば、業務要件の整理やRFPの作成において、先の工程まで想像でき、かつ実現性が高い提案ができることは強みです。
そうした提案は、システム要件定義や詳細設計、構築の段階での手戻りが少なく、結果的に、予定通りリリースできるためクライアントの満足度も高くなります。
また、プロジェクトマネジメントの能力も、SIerとITコンサルではステークホルダーが異なるとはいえ、進め方は近く、活かしやすい能力です。

もちろん、ITコンサルには、経営や業務の知識、物事を俯瞰する能力など、SIerで求められるものとは異なる能力が求められますが、上記のようにSIerの経験が能力が活きる場面も多くあります。

ファームのパートナーの方々とお話する中でも、SIerの知見も持ちつつ、ビジネスサイドにも強みを持つような方、つまり、IT戦略から実装まで一気通貫して提案できる方のニーズは今後も高まっていくと感じています。


今回は、IT領域におけるSIer(SE)とコンサルティングファーム(ITコンサルタント)の違いと、ITコンサルに活かせるSIerでの経験や能力についてお話ししました。少しでも、この記事で両者の違いや、ご自身が働くイメージが明確になりましたら嬉しく思います。
また、この機会がキャリア形成の一助となれば幸いです。

自分に合ったコンサルティングファームはどこか?

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コンサルティングファームについては、転職者の方から「コンサルの仕事の内容や企業を調べてみたがよくわからない」、「各ファームの違いが分からない」というお話を聞くことがよくあります。また、「ワークライフバランスがあまりよくはない」、「戦略は示すが実行はクライアント任せ」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、一口にコンサルティングファームといっても、実はファーム毎に色が大きく異なります。
例えばPwCやクニエはワークライフバランスを大切にし、ダイバーシティを実現しています。また、多くのファームでは、青写真(戦略)を描くことに留まらず、現場まで入り込んで結果にこだわってプロジェクトを推進しています。

今回は、業界のイメージが掴みにくくブラックボックスになっているコンサルティング業界の全体像と、それぞれのファームの特色についてご紹介します。
ぜひ、コンサル業界の理解や転職を考えている方が志望するファームを絞り込む上で、自分がどのファームによりマッチしそうかのご参考にしていただければ幸いです。

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コンサルティング業界の仕事内容

まずは、そもそもコンサルティングファームがどのような仕事を担っているかについて書かせていただきます。
コンサルタントの仕事はクライアント企業の課題解決と言われますが、もう少し具体的にすると、事業会社の部長や役員の方に対して提案や提言、ときには実行まで支援することです。
その中で大きく3つのソリューション(サービス)を提供しています。1つ目は戦略領域、2つ目は業務領域、3つ目はIT領域です。

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チーム制におけるアサインイメージ

戦略領域

戦略領域では、企業全体や事業の方向性を決めるための支援を行います。
例えば、会社の3年後、5年後、10年後以降の青写真を描くような中長期計画策定や、既存の事業の次なる一手を講じるための事業戦略策定、既存事業とのシナジーを考慮した上での新規事業立案、それらを実行する手段としてのM&A・デューデリジェンスなどが戦略領域のプロジェクトです。
プロジェクトによって策定で終わるものもあれば、実行まで支援することもありますし、業務領域やIT領域のプロジェクトに引継ぐ場合もあります。

業務領域

業務領域では、企業全体や事業の業務効率を改善するための支援を行います。
業務領域はさらに、業務プロセス領域組織領域に分かれます。業務プロセス領域ではBPR(Business Process Reengineering)と呼ばれる業務改革や、コストカット、新規事業におけるオペレーション構築などがあります。
組織領域では、採用計画組織戦略の策定や人員配置適正化などがあります。最近では、働き方改革の推進などのプロジェクトも増えています。

IT領域

IT領域はITの知見や技術を活かした課題解決の支援を行います。
サイバーセキュリティ強化システム開発PMOなどのピュアなIT案件もある一方で、
企業全体のIT戦略やグランドデザインの策定、AI等の先端技術を用いた新規事業立案などの戦略領域とかぶる案件もあります。また、BPRを伴うシステム導入案件など、業務領域とかぶる案件もあります。

各コンサルティングファームの特色

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コンサルティング業界マップ
コンサルティングファームの仕事内容をご紹介しました。ここからは、それぞれのファームの特色みていきたいと思います。
コンサルティングファームは、戦略ファームと総合系ファーム、シンクタンク系に大きく分けられますので、それぞれについてみていきます。

戦略ファーム

戦略ファームは、戦略領域を中心にソリューションを提供するファームです。最近では、ピュアな戦略案件だけでなく、業務領域やIT領域にも力を入れるファームが多い傾向にあります。
代表的なファームとしては、いわゆるBIG3と呼ばれるマッキンゼー・アンド・カンパニーボストン・コンサルティング・グループベイン・アンド・カンパニーがあります。他にも、A.T.カーニー、ローランド・ベルガーやドリームインキュベータなどが挙げられます。

マッキンゼー・アンド・カンパニー

“Fact-base”、”Analytical approach”という概念や、科学的かつ論理的な問題解決の方法論を、世界で初めて明確な形で確立したコンサルティングファームです。現在は世界60カ国、105拠点に9,000人以上のスタッフが在籍しています。
案件は戦略領域と業務領域が8割を占めており、入社すればほぼ必ずどちらか、もしくは両方を経験する事になります。なお、IT領域の案件も2割程度ありますが、IT戦略策定などの上流フェーズが大半を占め、開発等のいわゆる下流フェーズの案件はありません。
コンサルティングスタイルとしては、事実を正確につかみ取ったうえで、彼等が今まで生み出した理論や蓄積されたナレッジにあてはめて解くという特徴があります。
実力・ブランドともにトップレベルですので、世界最高峰の頭脳集団の中で、自分の力を試したいという方にマッチするファームかと思います。

ボストン・コンサルティング・グループ

コンサルティング業界ではよくBCGという略称で呼ばれ、マッキンゼーと並ぶ世界的に有名なコンサルティングファームです。日本での社員数は700名を超えており、全世界に50ヶ国以上にオフィスを構え16,000名以上のスタッフが在籍しています。
BCGもマッキンゼーと同じように案件は戦略領域と業務領域が8割を占めていますが、特徴的な点としては、フレームワークベースではなく、オーダーメイドでのコンサルティングサービスを提供する点があげられます。なお、国内企業の支援が中心であり、海外案件の案件は多くはありません。
また、最近ではデジタル領域に特化したDigitalBCGや大手企業のリソースとデジタルを合わせて新規事業、出資、ジョイントベンチャーの設立等を行うBCG Digital Venturesが設立され支援の幅を広げています。
クライアントに合わせて柔軟に考え、新たなフレームワークを生み出したい、という気概のある方には特にマッチするかと思います。

ベイン・アンド・カンパニー

少数精鋭のピュアコンサルとして有名な戦略ファームです。東京オフィスは1981年に開設され、現在では世界36か国、55オフィス、約7,000名のスタッフが在籍しています。
他の戦略ファームが業務やIT領域に活動を広げている中、ベインは戦略立案やM&Aの案件が非常に多く、業務改善やコスト削減の案件は多くありません。また、大企業のみならず、ベンチャー企業までクライアントにもつ点も特徴的で、海外案件も非常に多いファームです。
課題の特定に特に時間をかけるファームですので、少数精鋭で戦略案件を中心に携わっていきたい方にはマッチするファームかと思います。

A.T.カーニー

シカゴで創立されたコンサルティングファームで、現在では世界40カ国62拠点に3,500名を超えるスタッフが在籍しています。
オペレーション改善の案件、特にコスト削減に強みをもっています。
「目に見える成果(Tangible Result)」という価値観を重視している事が特徴で、実行支援まで注力しており結果までコミットしたい方に向いているファームです。また、海外案件も非常に多いので、 A.T.カーニーを目指す方は英語が必須です。

ローランド・ベルガー

ドイツ・ミュンヘンに本社をもつ戦略ファームです。世界36カ国に50拠点を構え2,500名程のスタッフが在籍しています。
案件の中心は戦略領域で、製造業とくに自動車業界で高いプレゼンスを持っています。IT案件も3割程度ありますがIT戦略の策定などの上流フェーズがほとんどです。クライアント全体の満足度を上げるかを重要視するファームで、現場主義を貫くファームです。また、全体の3分の1強が海外案件といわれています。
製造業に非常に強いファームですので、製造業のバックグラウンドをもち、その知見を活かしていきたい方にはマッチするファームです。

総合系ファーム

総合系ファームは、業務領域やIT領域に強みを持ちつつも、戦略領域まで幅広くソリューションを提供するファームです。
監査法人をバックボーンとしたBIG4(デロイト・トーマツ・コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング)、やアクセンチュア、ベイカレント・コンサルティング、シグマクシス、クニエ、アビームコンサルティングなどが挙げられます。

多くの総合系ファームでは、チーム制という人事制度をとっています。
戦略・業務・ITの領域別(ソリューションカット)のチームか、業界別(インダストリーカット)のチームのいずれかに所属することとなります。例えば、小売企業システム導入プロジェクトであれば、ITチームのメンバーと、小売業界チームのメンバーがアサインしてプロジェクトを進めていくことになります。ただし、戦略領域に関しては、戦略チームだけで行っていく傾向が強いことには注意が必要です。

デロイト・トーマツ・コンサルティング

Deloitte Touche Tohmatsu(世界140カ国に16万人以上が在籍)のグループメンバーであり、監査法人トーマツがバックボーンであるファームです。
戦略・業務・ITと幅広く手掛けていますが、とくに業務改革系案件に強みを持ち、グローバルで財務アドバイザリー、税理士法人、法律事務所などをグループ会社として持っているため、広く深い知見をもとにしたコンサルティングサービスを提供しています。
BIG4の中で一番歴史が古く、組織も成熟しているファームであり、戦略や業務領域を中心に業務に取り組んでいきたい方にはマッチしやすいファームです。

PwCコンサルティング

PwCグループ(世界157カ国に22万人以上が在籍)のグループメンバーであり、日本ではPwCあらた有限責任監査法人をバックボーンにもちます。
他のBIG4と同じように、戦略・業務・ITと幅広く手掛けており、財務領域に強みを持ちグローバル案件も多くあります。最近では、特にIT領域に力を入れており、SIer出身者の採用が盛んです。
残業時間の管理の徹底や有給消化の推奨、リモートワークの推進などワークライフバランスを大切にしているファームで、女性比率が30%を超えていることも特徴です。
このようにダイバーシティを大切にしているファームですので、コンサルティング業界に挑戦したいが、自分らしく働きたい、という方にはマッチするファームかと思います。

KPMGコンサルティング

KPMGインターナショナル(世界152カ国に18万名以上が在籍)のグループメンバーであり、日本では有限責任あずさ監査法人をバックボーンにもち、800名程度のスタッフが在籍しています。
リスクマネジメント領域や、AI・RPAといった先端テクノロジーの活用に強みを持ち、特に金融案件におけるプレゼンスは非常に高いです。
コンサルティングスタイルとしてはクライアントとの中長期的なリレーションシップ構築を非常に大切にしており、10年単位での付き合いがあるクライアントもいると聞きますので、長期的にわたって顧客と伴走していくことが性に合う方にはマッチしやすいファームです。

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング

EYグループ(世界150カ国以上に14万人以上が在籍)のグループメンバーであり、EY新日本有限責任監査法人をバックボーンに持ちます。
財務領域に強みを持ち、日本展開を狙う外資系企業や海外展開を狙う日系企業の案件などのグローバル案件も多数あります。
徹底的な現場主義が根付いており、クライアント先の社員のように働くスタイルが特徴てきなファームですので、クライアントとともに現場で一緒にプロジェクトを進め、信頼関係を築いていきたいという方にはマッチするかと思います。

アクセンチュア

世界55カ国におよそ39万人以上のスタッフが在籍する、世界最大規模のファームです。
業務改革アウトソーシング(BTO)に強みを持っており、BPOの最先端を行く企業として高く評価されています。大規模なIT開発運用部隊を有していることもあり、ITソリューションが強いことが特徴的です。
総合系ファームの中でもIT色が特に強いファームですので、IT経験を強く活かしていきたい方にはマッチするファームです。

ベイカレント・コンサルティング

日本発の総合系コンサルティングファームとして、官民問わずコンサルティングサービスを提供しているファームで、コンサルティングファームでは珍しく東証一部に上場しています。
IT領域に強みを持つファームでしたが、近年は他の総合系コンサルファームと同様に戦略系案件も豊富にあります。
特徴としては、チーム制ではなく、ワンプール制の人事制度をとっていることが挙げられます。ワンプール制ですので、ソリューションやインダストリー関係なく、プロジェクト単位で仕事内容が大きく変わります。例えば、金融業界のIT領域でプロジェクトをやった方が次のプロジェクトでは製造業界の戦略領域のプロジェクトや、通信業界の業務領域のプロジェクトをやることもあります。そのため、領域や業界に縛られず様々な案件に携わっていきたい方にはマッチするかと思います。

シグマクシス

シグマクシスは、2008年に三菱商事の資本を中心に設立された日系コンサルティングファームです。なお、現在では資本関係は解消されています。ベイカレント・コンサルティングと同様に東証一部に上場している点もコンサルティングファームとしては珍しい点です。
コンサルティングサービスのみならずシグマクシス自体が事業投資をしていることもあり、新規事業チームが強いことが特徴です。
新規事業や企業との協業を(アライアンス)に挑戦したい方にはマッチするファームかと思います。

クニエ

NTTデータの100%出資のコンサルティングファームで、経営基盤が強いため他のコンサルティングファームでは受注が難しい中長期的なプロジェクトも手掛けます。特に、製造業の業務領域で高いプレゼンスがあります。IT領域の案件もありますが上流案件がほとんどで、要件定義以降は親会社であるNTTデータに引き継ぎます。1チームが数十人と小規模であり、現場に入り込んだコンサルティングスタイルであることが特徴的です。
中途入社で入った場合には年間の研修時間を200時間以上行っていることも特筆すべき点かと思います。また、大企業並みに福利厚生が充実し、育成環境も整っていることから離職率も10%未満ですので、日本らしく、しかしオープンな企業風土が好きな方にはマッチするファームです。

アビームコンサルティング

2003年にデロイトトウシュトーマツからのスピンオフにて誕生した日本発のコンサルティングファームです。2004年からNECと戦略的資本提携を始め、2015年にNECの完全子会社となりました。そのため案件もIT領域に強みをもちます。
日本企業であるアビームコンサルティングが事例を体系化することで、日本を中心としたアジア近隣のクライアントのニーズに深く応えられるファームであることが特徴です。また、「ダイバーシティ&インクルージョン」というビジョンを2016年に打ち出し、全社を挙げてワークライフバランスの実現を推進しており、女性の活躍もしやすい環境です。

シンクタンク系

経済調査などのリサーチがメインであるイメージが強いシンクタンクですが、最近では、戦略、業務、IT領域すべてのコンサルティングサービスにも広げて行っている傾向にあり、ファーム出身者が転職していくことも多々あります。
特徴としては大手企業のグループ会社であることが多いため、グループ会社から案件のトスアップがあること、グループの事業会社のナレッジがたまっていることが挙げられます。具体的な企業としては、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、日本総合研究所、NTTデータ経営研究所、野村総合研究所などが挙げられます。


今回は、コンサルティングファームの全体像と、それぞれのファームの特色をお伝えしました。
コンサルティングファームと一口にいっても、一般のイメージと近いストイックな環境のファームもあれば、実力主義でありつつも自分らしく働けるようなファームもあります。ご自身とマッチすればするほど、入社後の立ち上がりも早くなりパフォーマンスも高くなるためどのファームを選択するかは重要になります。今コンサル業界への転職を考えている方が入社後のご自身の姿をご想像いただくことになり、この機会がキャリア形成の一助となれば幸いです。

事前準備が勝敗を分ける <コンサル業界のWEBテストとケース対策>

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転職活動を支援している中で面接対策はしっかりと行ったにも関わらず、WEBテストやケースの対策の準備不足により、通過出来ず面接まで行くことができない方を見ると非常に勿体なく感じます。
そのため今回は、コンサルティングファームではほぼ必須であるWEBテストとケース対策についてきっちりと準備して臨んでいけるように少しでもお力添えができればと思います。
早速ですがテストの対策については、受験する企業のテストが何かを確認したうえで、それに対応した問題集を1冊仕上げることができれば問題はないと考えています。
その一方で、ケース対策については、自分のレベルにあった書籍を読み、それを実戦形式でアウトプットしていくことが有効です。

対策をしているのかによってテスト通過率の向上や準備をしていなく急にケース問題を出されて戸惑ってしまうことの防止にもなるため、事前の準備をおすすめしています。
この記事では、テスト・ケース対策において押さえておきたいポイントを詳しく見ていきます。

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転職・転職活動の全体像をご覧になりたい方は、以下の記事をご覧ください。

blog.ryo-okui-assign.com

テスト対策

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ファーム別のWEBテストの種類

各ファームのテストをまとめましたのでご覧ください。なお、候補者のポジションや年齢、経歴によっては、テストが課されない場合もあります。

■代表的なファームのテスト形式		 ファーム	テスト形式	備考 McKinsey(マッキンゼー)	独自	GMATのCritical Reasoningの類似問題です。 BCG(ボストンコンサルティンググループ)	SPI	 ローランド・ベルガー	独自	判断推理系が出題されます。 A.T. カーニー	独自	GMATのCritical Reasoningの類似問題です。 アーサー・D・リトル	なし	 デロイトトーマツコンサルティング	TG-Web	英語があります。 EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング	TG-Web	 KPMGコンサルティング	玉手箱	 PwC(プライスウォーターハウスクーパース)	玉手箱	 PwC(strategy&amp;)	独自	ヒューマネージ社のテストセンターに近い問題です。計数は四則逆算が大量に出題されます。 アクセンチュア	玉手箱	 コーポレイトディレクション(CDI)	独自	GMATのCritical Reasoningに近い問題が出題されます。 ベイカレント	GAB Compact	&quot;言語は長文問題が出題されます。 計数はグラフの読み取り問題が多く出題されます。&quot;
コンサルティングファーム別のテスト形式

おすすめの対策問題集

GAB Compact

ちなみに、2019年12月現在、GAB Compactが対策できる書籍は、この書籍のみです。

GMAT

新テスト対応版 MBA留学 GMAT完全攻略

新テスト対応版 MBA留学 GMAT完全攻略

GMATは耳慣れないものかもしれませんが、MBA留学の試験として広く用いられているテストです。

勉強方法

まずは、分野別ではなく演習形式の模擬テストを受けることをお勧めします。
そこで明らかになった弱点を分野別に対策していくという順番が業務がお忙しい中で行っていくためには効率的かと思います。

弱点を洗い出すときには、「できなかった」だけではなく「自信がなかった」や「時間がかかった」もチェックするようにしてください。
自信がない問題は2回目に正解できない可能性が比較的高いため対策が必要ですし、時間がかかった問題はより簡単な解法があることが多くあるため、やはり対策が必要です。

ちなみに、時間がかかる問題の典型としては「場合の数」が挙げられます。時間をかければ、樹形図や辞書式配列によって解けますですが、「C」や「P」を使えば一瞬で解ける問題も数多くあります。

上記に挙げたものでなくても、書店で気に入った書籍があれば、それを一冊完璧に仕上げれば大丈夫かと思います。

ケース対策の形式

・フェルミ推定
「アメリカのシカゴには何人のピアノの調律師がいるか?」
これは有名な問題なので、一度は聞いたことがあるかもしれません。

フェルミ推定とは簡単に言うと、「仮説をもとに概数を算出すること」です。
ここでは、正確性が求められるわけではなく、論理的に求められていることが重要です(論理がしっかりしていれば、桁数は合うと思います)。
詳しい考え方については後で紹介する書籍にお任せしますが、いかに推測可能な数字に分解していくかがポイントです。

例えば先ほどの問題であれば、ピアノの調律師の数を求めることは難しいですが、
「シカゴのピアノ数」と「ピアノ1台あたりに必要な調律師数」に分解し、さらに前者は「シカゴの世帯数」×「1世帯当たりのピアノの数」に分解すればぐっと求めやすくなります。

もう一つ、事前に知っておきたい世の中の数字については把握している必要があります。(先ほどの問題はアメリカでの出題のためにシカゴが題材になっており、その世帯数を推測することは私たちには難しいのですが、名古屋あたりでできれば大丈夫です)。
例えば、以下のようなものが挙げられますので気になる方は参考書籍等にて確認してみてください。
・日本の人口:12500万人
・日本の世帯:5000万戸
・日本の平均世帯人数:2.5人
・日本の国土面積:38万平方キロメートル


・課題型(ケーススタディ)
「マクドナルドの売上を1.5倍にする方法は?」
このように、何かしらの課題を与えられ、それを解く形式がもう一つのパターンです。

フェルミ推定と同じように要素を分解する必要がありますが、分解の仕方で打ち手も変わってきます。
例えば、マクドナルドの売上を地域別で分けた場合には「夜セットを充実させる」という打ち手は出てきづらいと思いますが、
ターゲット別で分解した場合には、出てくる可能性はあります。
そのため、要素分解を特に注意して行う必要があります。

また、疑似プロジェクトという意識をもっていただくとやりやすいと思います。
つまり、面接官を論破することが目的ではなく、課題を解決することが目的ということです。
一人で考えるのではなく、面接官と議論しながら解決案を出していくことが大切だと考えます。

レベル別のおすすめ書籍

私が転職者の方にお勧めしている、ケース対策の書籍をご紹介します。
マッキンゼー、BCG、BainなどのBIG3を中心とした戦略ファームやStrategy&を受ける方は、STEP2の、「戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策」まで取り組んでもらうことをお勧めします。その後、対面で模擬ケース面接を何度かしていただければ、イメージが大分つかめると思います。

STEP1は2パターンありますが、1-1か、1-2のどちらかを選んでいただければ結構です。
書店などで「過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題」レベル感を確認し、大丈夫そうであれば1-2を選んでいただき、すこし難しそうであれば1-1を選んでいただければと思います。

■STEP1-1 難易度:易しい
・現役東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」

 
・現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート
 「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!


■STEP1-2 難易度:普通
・過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

 
■STEP2 難易度:難しい
・戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策

模擬ケース面接

一通り考え方を学び終わったら、リアルタイムのやりとりで、その考え方ができるかを確認するため、何度か対面でケース対策を行うことをお勧めしています。

もし可能であればファーム出身者や現役のコンサルタントと模擬ケース面接ができればよりイメージが明確になるかと思います。


今回はWEBテスト・ケース面接におけるポイントをまとめさせていただきました。
特にケース面接は対策が大変ですが、コンサルタントの仕事をイメージすることにも役立ちますので、大変ではありますが、是非悔いのないようにしっかり準備いただだき突破していけることを願っています。
この機会がキャリア形成の一助となれば幸いです。

志望動機は"過去" "現在" "未来" に軸を通す

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今回は、転職活動における面接対策について詳しく見ていきたいと思います。
面接においては、見た目や話し方など印象面に気を配ることはもちろんですが、内容についての十分な準備をすることが、志望する企業から内定をもらうための大事な要素です。
また、面接対策は志望動機の整理や将来像の明確化が必要になるため、丁寧に進めていくことをお勧めします。
この記事では、面接対策において押さえておきたいポイントを少し詳しく見ていきます。

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なお、転職・転職活動の全体像をご覧になりたい方は、以下の記事をご覧ください。

blog.ryo-okui-assign.com

企業にとっての面接の目的

面接対策に入る前に、企業にとっての面接の目的を考えてみます。
基本的なことなのですが、面接対策をする上で、その意味合いを意識することはとても大切なことですので、念のために確認させてください。

企業にとっての面接の目的は、「その企業と転職者がマッチングするか」の確認だと考えています。
言い換えると「その企業で転職者が活躍しているイメージが明確に湧くか」の確認です。

このとき、「活躍するイメージがなんとなく湧く」ではなく、「活躍するイメージが明確に湧く」と思ってもらうことが重要ですので、各質問に対する答えは、具体的で納得感があり、かつ軸が通っていることが大切です。

面接の一般的なフロー

企業によって異なりますが、一般的な面接のフローは以下の通りです。

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一般的な面接フロー

面接対策のための整理

想定される質問に対する個別具体的な回答を考える前に、まずは、ご自身の過去、現在、未来について整理することをお勧めします。これらの整理をすることで、質問に対する一貫性を持った回答が出来ることに繋がります。
質問に対して一問一答形式で考える方もいらっしゃいますが、一貫性がなくなってしまっていることが多いので注意が必要です。

過去についての整理

まずは、過去について整理します。
どの程度の過去まで整理する必要があるかは、選考を受ける企業によって異なりますが、少なくとも履歴書に書く高校卒業以降については整理しておいた方がいいと思います。また、過去の深堀をしっかりと行う企業の場合は小学生のころまで整理が必要な場合もあります。

・現職(前職)の成果
業務内容と成果、その中での工夫や、成果を出すうえでの困難をどう乗り越えたかをまとめます。できるだけ具体的(but冗長でない)にまとめてください。ここでは、主体的かつ具体的な行動ベースであることが求められます。
特に、具体的な行動ベースであることは多くの方が見落としがちですので注意を払っていただければと思います。例えば「顧客に注意深くヒアリングして提案した。」は抽象的なためあまり良くなく、「顧客に対するヒアリングシートを作成し、漏れがないように網羅的に聞き、さらにアポ前に過去の提案も参考にしながら、仮説を3つ以上準備して臨んでいた。」のようにできるだけ具体的な行動するイメージです。

・現職(前職)を選んだ理由
今の会社が新卒一社目の方は就職活動のときの軸を、二社目以降の方はそれに加えて転職をした時の軸を改めて整理します。今の転職活動の志望動機との一貫性が大切ですので、その点は気を付けていただければと思います(志望動機の整理は、またのちほどします)。
例えば、SIerが一社目かつ現職で、二社目にITコンサルタントを志望し、面接の場で「なぜ現職から弊社に転職されたいんですか?」と質問をされたとします。
そのとき、「ITの技術を身に着けたくて現職を選びました。今度はビジネスの観点を身に着けるために貴社を志望しました。」というのは、論理的に飛躍しており一貫性が感じられません。その一方で、「ITを軸に他者をサポートしたいと思い現職を選びました。今後は、ITを軸にしながらも、より上流から支援し、よりお客様に高い価値を提供したく、貴社を志望しました。」であれば、先ほどの例よりは一貫性が感じられるかと思います。

・大学を選んだ理由
ここは目につく動き(例えば、編入など)をしていなければ、深く質問を受けることはないでしょうが、他の整理と矛盾がないかの確認は必要です。
例えば、志望動機が「昔からITに興味があり、ITに関連した仕事をしたいと強く思っていた」のようなものにも関わらず、文学部卒業だと一貫性は弱くなってしまいます。

また、偏差値が高いから選んだや周りの人が言ってたからなどの理由を答えてしまうと自身でしっかりと考えていないという印象を与えてしまうので注意が必要です。

深堀を大切にする企業では、高校・中学校・小学校についても聞かれる場合があります。学校を選んだ理由よりは、周りからどのような人だと思われていたか、部活ではどのような役割を果たしてきたかなどが聞かれることが多いようです。こちらも他の整理と矛盾しないように準備をしておくと良いと思います。

現在・未来についての整理

現在と未来は明確に区切れないため一緒に考えていく方が整理しやすいかと思います。

・志望動機の整理
なぜ、その業界なのか、なぜその企業なのか、を整理します。
これについては、以下の記事が参考になると思うので気になる方はご覧下さい。
blog.ryo-okui-assign.com

・キャリアパスの整理
10年後、20年後に何をやりたいか、もしくはどうなっていたいか、を整理します。
こちらについても、以前記事を書いていますので、参考になさってください。
blog.ryo-okui-assign.com

志望動機の整理も同様ですが、網羅的に判断できているか(視野狭窄になっていないか)、客観的な納得感があるか(例えば、「あこがれ」は納得感が弱い)、キャリアパスと志望動機が一本の軸でつながっているかは、チェックが必要だと思います。

・活躍イメージの整理
また、志望する企業で、実際に自分がどのように活躍できそうかも企業研究と共に整理します。
例えば、コンサルティングファームであれば、HPになどにあるプロジェクト事例を理解した上で、現状の自分がそのプロジェクトに参画した場合に、何を活かすことができ、何が足りないのかを経験を踏まえて説明できるようにします。


以上の整理を行ったうえで、何回か模擬面接をこなしていけば、内容はブラッシュアップされていくと思います。
また、実際の面接での印象もまた重要ですので、それについても触れておきます。

印象面での注意

・癖
緊張すると癖が出やすくなる方がいらっしゃいます。例えば、ボールペンでコツコツと机をつついてしまったり、ペン回しをしてしまったりする方もいらっしゃいます。また、相槌が独特な方も注意してください。特に、「あー、はいはい」などの知ったかぶりな相槌や、相手が話し終わる前に食い気味にする相槌はあまり好まれないので注意した方が良いポイントです。

・見た目
見た目はできるだけ、爽やかで明るくします。また、服装も見られていますので、そこにも注意を払っていただければと思います。このあたりについては、以下のようなサイトを参考にしてください。
tenshoku.mynavi.jp

コンサルティング業界の場合は、特に見た目の印象を大事にする文化があるため、高級感のある立ち振る舞いなども意識すると良いと思います。

・受付への挨拶・愛想
細かい話かもしれませんが、受付の方への挨拶などの対応も注意が必要です。
受付の方が受けた転職者の印象は面接官に伝わることも多々ありますので、面接官だけでなく、受付や社員の方々にも良い印象が与えられるとより良いと思います。


今回は面接におけるポイントをまとめさせていただきました。面接対策として、過去や未来について整理をすることは少し時間がかかるため大変なことかと思います。しかし、その整理をすることで、面接だけでなく、キャリア自体も明確になっていくので、向かいたい方向に真っ直ぐ進むことができ、入社後のパフォーマンスも上がると思います。
この機会がキャリア形成の一助となれば幸いです。